「頑張れ。もう本当にそれだけ」。増田の名前が書かれたタオルを掲げ、ピッチに立つ戦友へエールを送った。
試合後、DF増田(手前)をねぎらう山崎さん(右)ら=15日午後、Jヴィレッジスタジアム、森田大地撮影
2人は小学4年時、足利市のサッカークラブ「両毛フェリスローザFC」へ入団し、すぐに打ち解けた。「聞こえにくい香音ともっと話したい」。その一心で、国語の教科書に載っていた指文字を覚えた。今も2人の大切なコミュニケーションの基盤となっている。
「香音がいるから」。山崎さんは社会人となった現在もプレーを続ける。長年DFでコンビを組み「パスを出したいという意図もくみ取ってくれる。一緒にやっていて楽しい」。ピッチ内外で、言葉やプレーで数え切れないほどの“パス”を交換してきた。
この日の米国戦、増田は果敢に前線に駆け上がり、攻撃にも参加。山崎さんはその姿がうれしかった。「クラブと同じ、いつもの香音だ」。大舞台でも“らしさ”が見られて、自然と笑みがこぼれた。
試合には敗れたが、日の丸を背負って戦う幼なじみは「いっぱい走って、体も張って。すごく頑張っていた」と感無量。大会の現地観戦は最後となるが、栃木からエールを送る。「けがせずに楽しんで」。友の活躍を心から祈った。
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