ライスウイスキー「湊 SOU」を手にする塚田社長=真岡市

ウイスキー「湊 SOU」を手にする塚田社長(後列左)とロードランナーの従業員

ウイスキー「湊 SOU」のフライヤーデザイン

ライスウイスキー「湊 SOU」を手にする塚田社長=真岡市 ウイスキー「湊 SOU」を手にする塚田社長(後列左)とロードランナーの従業員 ウイスキー「湊 SOU」のフライヤーデザイン

 自動車用品店のロードランナー(真岡市西高間木、塚田淳一(つかだ・じゅんいち)社長)は、米を主原料にした自社ブランドのライスウイスキー「湊 SOU」を大手通販アマゾン、道の駅などで販売している。国内外の展示会にも出展しており、輸出も進める方針だ。

 ロードランナーは、タイヤ、ホイール、カー用品の専門店として創業25年。塚田社長は10年以上前から「販売するだけでなく、自分たちの価値を創造するものづくりに挑戦したい」という思いを温めてきた。自社事業で芳賀地区産米の卸売りも行い、飲食店運営の経験があった塚田社長は日本酒や焼酎をはじめ全国11蔵元と交流。25周年に向け「日本の素材で、世界が驚く酒を造る」というビジョンを掲げ、ライスウイスキー自社ブランドの立ち上げに動いた。

 「湊 SOU」は焼酎やライスウイスキーを造る常楽酒造(熊本県錦町)に製造を委託。ドイツ産モルトと栃木県産を含む国産米を原料に発酵、蒸留を行い、米国から取り寄せたオーク樽でグレーンウイスキーを熟成させた。この原酒に国産米で製造したウオッカをブレンドして完成させた。

 コンセプトは「和食に合うウイスキー」。香ばしくも柔らかなバニラ香が広がり、米特有の優しい甘さとまろやかな口当たりが特徴という。商品名に「人が集まり、心が通う港のような存在に」という思いを込めた。25周年を迎えた今春から発売し、6月に台湾、7月には都内の展示会に出展。台湾、香港、米国に向け輸出に動いている。

 「湊 SOU」はアルコール度数40%。容量700ミリリットルで価格は5800円。

 塚田社長は「私たちはこれまで、車という日常に欠かせない存在を通じて、安心と信頼を届けるものづくりにこだわってきた。ウイスキーもまた、人生の大切なひとときに寄り添い、心を豊かにする“本物”でありたいと考えています」とコメントしている。

 さらに今回のウイスキー事業は、異業種から集まった若手社員たちの自由な発想と熱意が原動力になったという。「それぞれの経験や得意分野が重なり合い、地方発ならではのユニークな商品が生まれました。“まちのタイヤ屋が、世界の舞台へ”という挑戦が、地方企業の新たな可能性を示し、次の世代へのヒントになれば幸い」と抱負を語っている。