任期満了に伴う栃木県市貝町長選は9日、投開票が行われ、無所属新人の元町職員軽部修(かるべおさむ)氏(61)が、無所属新人の元町議小塙斉(こばなわひとし)氏(64)に3116票差をつけ、初当選した。軽部氏は豊富な行政経験を町政に生かすと強調、組織力を生かし優位に選挙戦を展開した。小塙氏は手厚い子育て支援策を打ち出したが及ばなかった。投票率は前回2013年を13・31ポイント下回る過去最低の55・41%だった。

初当選が確実となり、支持者と万歳する軽部修氏(中央)=9日午後7時35分、市貝町文谷、近藤文則撮影
初当選が確実となり、支持者と万歳する軽部修氏(中央)=9日午後7時35分、市貝町文谷、近藤文則撮影

 午後7時半過ぎ、同町文谷(ふみや)にある軽部氏の選挙事務所に当選の一報が入ると、拍手や歓声が湧き上がった。軽部氏は支持者一人一人と握手を交わすなどして喜びを分かち合った。

 軽部氏は「当選の2文字を勝ち取れたのは、支えてくれた皆さまのおかげ。感謝しかありません」と話し、「町民主役の町づくりに取り組み、町民の皆さんは安全安心に、そして充実した暮らしを実感できる町にしていきたい」と町政への決意を口にした。

 一方、午後8時10分ごろ、同町市塙(いちはな)の小塙氏の選挙事務所に敗戦の知らせが届くと、支持者から落胆の声が漏れた。小塙氏は「一生懸命やってきたが自分の力不足。これからは一町民として地域のためにさまざまなお手伝いをしていきたい」などと述べ、深々と頭を下げた。

 前回21年、前々回17年はいずれも現職入野正明(いりのまさあき)氏(65)が無投票で当選。今回は入野氏が今期限りでの退任を表明した後に小塙、軽部両氏が立候補し、12年ぶりに選挙戦が行われた。