原爆の資料を飾った自室で平和祈念式典のテレビ中継を見つめる中村さん=9日午前、宇都宮市下岡本町

 長崎への原爆投下から80年となった9日、14歳で被爆し、解散した県原爆被害者協議会(県被団協)の会長として核兵器廃絶を長年訴えてきた宇都宮市下岡本町、中村明(なかむらあきら)さん(94)は故郷で営まれた「平和祈念式典」をテレビで見守った。悲痛を共有してきた被爆者の仲間が少なくなる中、世界では今も核の脅威がくすぶっている。「核ではなく対話を戦争の抑止力に」。自身が最後の被爆地の被害者となるよう強く訴えた。