【足利】栃木、群馬の両県を中心に広く愛されている民謡「八木節」を継承する八木節宗家の7代目堀込源太(ほりごめげんた)を、堀込町、会社員渡辺一利(わたなべかずとし)さん(53)が襲名した。渡辺さんは初代堀込源太のひ孫で、直系の子孫が名跡を名乗るのは初めて。このほど市内で披露式が行われ、渡辺さんは「全身全霊で7代目を務めていく」と決意を語った。
八木節は、軽快なリズムに合わせて歌って踊る郷土芸能。日光例幣使街道の宿場「八木宿」を中心に荷馬車を引いていた本名渡辺源太郎(わたなべげんたろう)が、八木節を歌い始めたとされる。
大正時代に八木節がレコード化して全国に広まっていった。その際、源太郎が出身地から堀込源太と名乗って以来、その名が受け継がれている。
渡辺さんは、2015年に6代目堀込源太の藤田正(ふじたただし)さん(82)に入門。「やるからには全力でやろう」との気持ちで稽古を重ねてきた。藤田さんは「努力家で何より声がいい。さすが初代の子孫だなと感じる」と渡辺さんの熱意と実力を評し、次世代へ橋渡しする意味も込めて、7代目にすることを決めたという。
披露式では藤田さんと渡辺さんがそろって入場。渡辺さんを筆頭に7代目一門が笛や太鼓の明るい演奏に合わせて力強い歌声と踊りを披露し、関係者ら約160人が襲名を祝った。披露後、渡辺さんは「全力を尽くそうという気持ちで挑んだ」と汗を拭い、「次世代に魅力と誇りを伝えていくことが使命。楽しそうに演奏する姿を見せながら、八木節の良さをさらに広めていく」と笑顔で話した。
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