宇都宮東高・付属中は7月から、ハーフパンツを制服として導入した。猛暑対策として両校の生徒会から提案を受け、幅広い世代に人気の「ユニクロ」と「無印良品」の市販品を制服として認めることにした。県教委も「県内で聞いたことがない」という珍しい取り組みで、学校側は新たなスタイルの定着を目指す。
色はいずれも黒で、機能性や素材が異なるユニクロの3種類、無印良品の2種類を導入した。価格は1着1990~2990円。通常の制服より手頃な値段のものを選んだ。学校指定の灰色のポロシャツと合わせて着用する。生徒会長の高校3年岩城悠生(いわきゆうせい)さん(17)は「長ズボンと比べ、だいぶ涼しく快適」と実感する。
暑さ対策として2024年9月、生徒会が体操着での登校を検討したが、個人名が刺しゅうされており、プライバシー保護から学校側が見送った経緯があった。
両校は27年度、中高一貫の中等教育学校に再編される。再編を前に制服の在り方を議論する中で、生徒会は3月、ハーフパンツの導入を学校側に提案した。学校側は熱中症予防に有効と判断し、生徒の要望に応える形で導入を決めた。
業者に発注するか既製品にするかや、膝丈の長さなどを生徒と話し合い、6月中旬に制服として認めることを決めた。ユニクロ側、無印良品側ともやりとりして了承を得たという。
自転車通学で汗をかき、登校後にポロシャツを着替える生徒も少なくない。同3年宮澤佑奈(みやざわゆな)さん(17)は「スラックスやスカートも着替えたいが、値段を考えると難しい。ハーフパンツなら着替えも用意しやすい」と喜ぶ。
生徒会から相談を受けた同付属中の関広人(せきひろと)教諭(39)は「生徒が中心となって議論を重ねてくれた。洗濯しやすく家庭の負担も減らせる面もあり、徐々に根付いていくといい」と期待した。