【日光】日光杉並木街道の杉材で製作した和だるを使って熟成させたウイスキーの献上祭が6日、日光東照宮で行われた。県内初のウイスキー蒸留所を稼働している清酒蔵元「西堀酒造」(小山市粟宮)が同東照宮の協力を得て「日光東照宮御神木・杉和樽ウヰスキー」として企画した。今年が同街道植樹400年の節目を迎えることから、今回献上された2種類は10月に限定販売される。
同社は2022年夏にウイスキーのたる詰めをスタートさせた。今回献上されたのは、同社が手がけるウイスキー「哲」シリーズのうち、麦芽100%の「シングルモルト」と、シングルモルトと米粉使用のシングルグレーンをブレンドした「シングルブレンデッド」の限定版2種類。
いずれも日本酒でも使用される清酒酵母で発酵された原酒を使用。ウイスキー酵母と異なる独自のフレーバーがあり、たるとの相性もいいとされる。オークだるで寝かせた後、日光杉の和だるで追熟。世界的基準となる3年熟成を経たジャパニーズウイスキーだ。
味の特徴について、ウイスキー開発の責任者を務める西堀哲也(にしぼりてつや)専務は「(追熟の前の)オークだるでの熟成とも絡み合ってくるので、日本酒のたる酒とは違った風味」と話す。
日光東照宮祈祷殿で行われた献上祭には、西堀和男(にしぼりかずお)社長ら関係者50人が参列。神事に先立ち、哲也専務は「日本酒の酒蔵として培ってきた発酵技術や酵母を生かしながら、日本ならではのウイスキー造りに挑戦している」などとあいさつした。
シングルモルトは400本限定で1本28万5千円、シングルブレンデッドは600本限定で同10万円(いずれも税抜き)。内容量は700ミリリットル。外装箱にもご神木材を使用している。予約販売となる見通しだ。