江戸の文化人と栃木の関係を探る講演に耳を傾ける参加者たち

 【栃木】NHK大河ドラマ「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」主人公の版元蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)(蔦重)と市のつながりを解説する講座「蔦屋重三郎と栃木」が12日、市図書館で開かれ、市内外から48人が参加した。

 同図書館で催しの企画などを行う栃木図書館友の会が協力。市ゆかりの浮世絵師喜多川歌麿(きたがわうたまろ)に関する歴史や文化の情報発信拠点「とちぎ歌麿交流館」の阿部治(あべおさむ)館長が講師を務め、栃木の商人や文化人と蔦重の密接な関わりを紹介した。

 蔦重は歌麿の才能を見いだし、江戸文化の最前線を担ったプロデューサーだったとされる。阿部さんは蔦重発行の狂歌本には栃木の狂歌師による作品が掲載されていることを踏まえ、江戸と栃木のつながりは深かったことを説明。大河ドラマの中では描かれていない時代背景なども伝えた。

 講座に参加した新井町、NPO法人理事中村絹江(なかむらきぬえ)さん(67)は「江戸の文化人と栃木の関わりを知れて面白かった。他にどんな交流があるのか想像が広がった」と話した。