タロット占いを使って参加者から悩みを聞く柚木さん(右)=5月下旬、宇都宮大陽東キャンパス

 若者が性や人間関係などの悩みを気軽に相談できる居場所をつくろうと、宇都宮大の学生団体「Free!!!!」は5月から、「心と体のお悩み相談所 レフリーのおうち」を同大陽東キャンパスで始めた。思春期保健相談士の上三川町、助産師柚木理恵(ゆずきりえ)さん(45)と連携し月1回、同大の学生に限らず若い世代の話に耳を傾ける。イメージしたのは、医師や看護師らに心と体の悩みを気軽に相談できる北欧発祥の「ユースクリニック」だ。

 団体は2022年度から、学内で生理用品の無料配布や学生向けの性に関する勉強会に取り組んでいる。参加者から好評の一方、終了後にデリケートな相談や質問を個別に受けることもあり、一人一人に寄り添う場の必要性を感じていた。

 相談所は、若者の孤立を防ぐために東京や京都では行政が設置している「ユースクリニック」を参考に企画した。生理や予期せぬ妊娠、人間関係などの個別相談のほか、ミニワークショップや書籍の展示などを通じて性に関する正しい知識の啓発に力を入れていく。

 5月下旬に開催された初回には同大の学生ら10人が参加し、柚木さんがタロット占いを取っかかりとしたカウンセリングを行った。柚木さんは「学生が人間関係の悩みなどをどんどん話してくれ、深いところまで聞けた」と手応えを感じていた。

 運営メンバーの長島康晟(ながしまこうせい)さん(20)は「かなり腹を割って話していた様子だったので、少しでも悩みを軽くできたのでは」、稲葉桜空(いなばさら)さん(21)は「家のようにほっと一息つけて親しみやすい場所にしたい」と語った。

 次回は19日午後6時から、同キャンパスで開く。