ケアラーズカフェ「ほれすと」の中心メンバー(左2人目から)野原さん、神山さん、福田さん

 【日光】お茶を飲みながら、ケアラー(介護者)に交流や息抜きの場を提供する「ケアラーズカフェ ほれすと」が今月、土沢の「レコードカフェ タイム」で本格的に始まった。運営するのは市社会福祉協議会と介護経験のある地元有志。市内では初の試みとみられ、「身近に集まる場が欲しい」という当事者たちの声を受け、2年越しに実現させた。

 対象を親や夫を介護中、または介護経験のある女性に限定しているのが特徴の一つ。統計的には女性が介護に携わるケースが多いため、同じような境遇を持つ人々が集い、安心して悩みを打ち明けられる雰囲気づくりを目指している。

 当事者たちから市社協に集いの場を求める声が寄せられたのは約2年前。市社協は介護経験があった水無、主婦神山寛子(かみやまひろこ)さん(66)に声をかけ、都内に住む父親らを遠距離介護している並木町、主婦野原美和子(のはらみわこ)さん(59)も加わった。千葉県内の先進事例を視察したり、傾聴ボランティアの講座に参加したりするなど準備を進めてきた。

 神山さんの知人女性宅を間借りし、試行的にカフェを始めたのは昨年4月。ほっとできる、休む(レスト)と拠点が森林(フォレスト)に囲まれたことを掛け合わせ、「ほれすと」と名付けた。その後は知人女性宅が諸事情で使えなくなったが、介護経験があった「タイム」の店主福田徹(ふくだとおる)さん(66)が店舗を貸し出しに快諾してくれたため、本格オープンにつながった。店内は好きなレコードをかけることができ、ゆったりと落ち着ける空間が広がる。

 神山さんは「話を聞くことで楽になっていただけたら。交流の場として長く続けていきたい」、野原さんも「参加して良かったと思える人が増えていったらいいですね」と話している。

 毎月第2水曜日の午後1時~3時。6月は11日に開く。参加無料だが、ワンドリンク以上の注文が必要。事前申し込みは不要で、時間内は自由に出入りできる。市外からの参加も可。(問)神山さん090・7750・4104。