研究棟の増築で新たに設けられたワークスペース(カルビー提供)

 カルビー(東京都千代田区)が整備していた宇都宮市清原工業団地の研究開発施設「R&Dセンター」の新研究棟が2日までに完成した。研究基盤の強化を目指し、昨年2月から一部を取り壊して増築工事を進め、延べ床面積を2倍超に拡大した。

 同社によると、同センターは2004年に稼働。ジャガイモの成分の研究の他、ポテトチップスなどの品質向上や新商品開発に取り組む。近くには生産拠点の清原工場と新宇都宮工場がある。

 新研究棟は4月に完成した。鉄骨2階建てで、延べ床面積は従来の約4千平方メートルから2倍超の約9100平方メートルとなった。実験室の数も大幅に増やし、同社が新規領域として力を入れている「アグリビジネス」や「食と健康」に関わる分野の研究を拡大する。

 施設内は研究エリアと開発エリアに分かれており、その間に県産木材や大谷石を活用したワークスペース(執務エリア)を新たに設けた。従業員同士の部門を超えた交流を促し、生産性や従業員満足度の向上を図るとしている。

 同社の担当者は「2階のエリアに社外の人を招くことができるようになり、外部との交流もこれまでよりしやすい環境になった」としている。