「枝ぶりが寂しくなったのでは」と、前橋市の楽歩堂前橋公園の花見客から疑問の声が届いた。現地を訪ねると観賞には十分だが、確かに約20年前の写真とは違う。各地で聞くと、老化や害虫被害で異変が起きていた。「桜インフラ」も水道や橋と同様に寿命が近づいており、公園管理者は保護や入れ替えに奔走する。

 約350本の桜が満開となった同園の放水路沿いの桜を4月、撮影した。花のない枝が目立ち、満開の部分も枝が垣間見える。幹は黒みが濃くなった。2006年の写真では、桜の枝は両岸から水面に付きそうな勢いでしなだれており、花の層は自然な膨らみで、幅広く高さもある。

前橋公園の放水路沿いの桜。左は2006年4月4日、右は19年後の4月11日
前橋公園の放水路沿いの桜。左は2006年4月4日、右は19年後の4月11日

新木で世代交代

 市によると、樹勢の衰えは老化と害虫の影響だという。

(上毛新聞)

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