栃木市は21日、万町の国登録有形文化財「旧教育委員会」の活用事業者が、インバウンド(訪日客)旅行会社「ティ・エ・エス」(東京都中央区)に決まったと発表した。洋食・イタリアンの飲食店とし、旅行会社の強みを生かした観光誘客も図る。8月上旬のオープンを予定している。
市の公募に4事業者から企画提案があり、最優秀となった同社が優先交渉権者に決まった。同社は訪日客ツアーと組み合わせた収益確保や魅力発信、近隣農家の食材のPR、蔵ワイン体験の実施、マルシェ、音楽イベントの開催を提案した。提案賃料は月15万円。
対象物件は木造2階建て店舗(延べ床面積約131平方メートル)と石造り2階建て倉庫(同約74平方メートル)など。4月から10年間の定期建物賃貸借契約を締結する。
「旧教育委員会」は1934年に足利銀行栃木支店として建設され、後に旧栃木市の教育委員会庁舎として使用された。ヒット映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が撮影されたことで知られる。市は2008年度から市内の飲食業者に貸し出し、その業者が洋食店を営んでいたが、別の事業者への無断転貸が判明し、契約を解除していた。