【那珂川】かつて県北地域で半世紀にわたり物資や旅客の輸送を支えた「東野鉄道」の廃線跡や未成線区間を巡るツアーがこのほど、町内外で行われた。県内外の鉄道ファンら10人が参加した。
ツアー「廃線で往時を想(おも)い、未成線で妄想をふくらませる東野鉄道廃線・未成線の旅」は昨年に続き、町観光協会と大手旅行代理店が企画し、開催した。
東野鉄道は1918年に西那須野-黒羽間で開業し、那須小川まで延伸。馬頭や茨城県大子町までつながる計画があったが、未整備のまま東野鉄道は財政状況悪化などで68年に廃線となった。
参加者は大田原市の学芸員重藤智彬(しげとうともあき)さんの案内で、東野バスの切符売り場とみられる町内に現存する建物や線路の敷設予定地だった神田城跡、馬頭停車場予定地だった町総合体育館などを巡った。
同協会の担当者は「2年目だったが、今年も募集を始めてすぐに予約が埋まる人気だった」と振り返った。