足利市のシンボルとして長年親しまれてきた中橋の3連アーチの移設工事が27日始まり、北側のアーチが下流側の橋脚へ移された。
移設工事は午前9時半ごろに開始。国内に数基しかないという750トンクレーン2基を使用してアーチを6、7メートルつり上げ、現在の中橋の位置から約10メートル下流側に新設した橋脚に移した。全国的にも珍しいという工事を一目見ようと、現場付近には移設が始まる前から多くの人が訪れ、様子を写真や動画に収めるなどしていた。

中橋架け替え事業の中心を担う県安足土木事務所の下山光洋(しもやまみつひろ)整備部長は「あまり例のない工事で、施工方法について何度も研究を重ねてきた。一つ目のアーチの移設が無事終わり、安心している」と話した。
今後は南側のアーチ、中央のアーチの順に移設工事を行う。5月ごろに歩行者と自転車専用の橋として開通する予定。
「想像以上に慎重」市民も注目
架け替え工事が着々と進む中橋。27日は3連アーチを新しい橋脚に移設する工事が始まった。現地で行われた見学会の参加者や、橋の周辺に集まった市民らは工事の様子を興味深く見守っていた。
渡良瀬川に架かる中橋は1936年に開通。90年近く市のシンボルとして親しまれてきたが、橋の高さが周囲の堤防より低く、大雨時などに川の水があふれ出す恐れがあることから、治水対策が急務に。2022年11月には堤防のかさ上げ、橋の架け替えなどを行う中橋架替事業が始まった。
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