バスケットボールのBリーグが現在のB1に代わり2026年にスタートさせる「Bリーグ・プレミア(Bプレミア)」の参入クラブ第1弾として、宇都宮ブレックスを含め22クラブの参加が決まった。BプレミアをはじめBリーグが50年を見据えたリーグ構想では各クラブが「街づくりの核」になることを掲げている。ブレックスは既に本県で一定の人気を得ており、さらにまちづくりや地域活性化のけん引役になってほしい。

 Bプレミアは5千人以上収容しVIP席などを備えたアリーナ確保や1シーズン当たり売上高12億円、平均入場者数4千人以上などの条件を設定。クラブ経営の安定性を求める一方、年俸総額に上限を設けるなど資金力で戦力格差が出ないようにする。実力が拮抗(きっこう)した各クラブがしのぎを削るリーグになれば、さらなる盛り上がりが期待できる。

 まちづくりの柱になるのはアリーナだ。Bプレミアに向け、コンベンションホールやコンサート会場としても使われるSAGAアリーナ(佐賀県)や、サッカースタジアムやホテル、商業施設などと一体となったハピネスアリーナ(長崎県)など、すでに各地で魅力的な新アリーナが誕生している。競技会場にとどまらない複合的な機能を持つアリーナは、新たな人の流れを生み出す拠点になるだろう。

 ブレックスも新アリーナを計画しているが、当面は現在のブレックスアリーナ宇都宮(宇都宮市体育館)を改修して対応する。宇都宮市は改修費約3億円を負担し、新アリーナ用地として宇都宮駅東公園敷地を提供する。計画を巡り、ブレックスと市は20年から意見交換を重ねてきた。

 市が支援する以上、計画の進捗(しんちょく)状況は市議会や記者会見を通じて随時説明すべきだ。市民対象の報告会なども設けてはどうか。市は3人制バスケットボール「3x3(スリーエックススリー)」のまちづくりを掲げており、新アリーナは3x3会場など市民が日常的にスポーツに親しめる場としても期待したい。両者は引き続き連携し、ファンのみならず市民に愛されるアリーナを目指してもらいたい。

 Bリーグは10月30日、新たに「街づくり」を議論する委員会をスタートさせた。プロ野球、サッカーJリーグに続くスポーツエンターテインメントとして、地方に新たな活力をもたらせるはずだ。