【宇都宮】「舞台役者が教える発声・声出しでいきいき若返り」講座が23日、市南図書館で開かれた。俳優で朗読家の鵜飼雅子(うかいまさこ)さんが約30人の参加者に声の出し方のこつを伝授した。
朗読の発声が血行の促進や脳の活性化につながる点に着目し、シニアの健康づくりを目的に初めて開催した。鵜飼さんは元劇団らくりん座団員で、市内で活動するシニア劇団「劇団スターライト」を主宰するなど舞台や朗読の分野で活躍している。
鵜飼さんは講座で、腹式呼吸による発声を「リンパの流れが良くなり健康に良い」と解説。参加者は顔を上下させながら声を出し、喉を絞めず発声しやすい顔の角度を探した後、童謡「うさぎとかめ」などを朗読した。
宮沢賢治(みやざわけんじ)の「どんぐりと山猫」の朗読では登場するクリの木や滝、キノコなど、それぞれの状況や雰囲気を想像するようにとアドバイス。参加者らは思い思いの音量や声色で、鵜飼さんと作品の一場面を読み上げていた。
西川田5丁目、中村禮子(なかむられいこ)さん(76)は「声の出し方の大切さが分かった。聞き取ってもらえるような話し方を心がけたい」と話していた。