【1区】船田氏、基礎票固め14選

 県内小選挙区で最多4党が争った1区。地力に勝る自民党前職の船田元(ふなだはじめ)氏が辛くも14選を果たした。ただ政治不信の逆風は強く、前回より得票数を減らした。

 野党が乱立したことで選挙戦は優勢のはずだった。しかし「政治とカネ」を巡る問題が直撃した。陣営幹部が「序盤から厳しさを感じた」と明かす逆風は、投開票日が近づくにつれて激しさを増していった。

 危機感を強めた船田氏陣営は街頭演説集中日を前回選挙より前倒しし、期日前投票の呼びかけなど引き締めを徹底。推薦を受ける公明党、11月に選挙を控える福田富一(ふくだとみかず)知事や佐藤栄一(さとうえいいち)宇都宮市長と連動して船田氏の実績を強調し、基礎票の取りこぼしを防いだ。

 県外出身で国政選挙初挑戦となった立憲民主党新人の板津由華(いたづゆか)氏は敗れたものの、約6万票超を獲得して船田氏を猛追した。

 交流サイト(SNS)などインターネットを駆使した選挙戦術で、女性と若さ、政治・経済改革のアピールに重点を置いた。知名度アップに注力したが、浸透するには時間が足りなかった。連合栃木の支援は得たが、選対全体の運動量不足も響いた。

 10年ぶりの国政返り咲きを狙った日本維新の会元職の柏倉祐司(かしわくらゆうじ)氏。維新自体の党勢が低迷しており、支持が広がらなかった。

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【2区】福田氏、労組票がっちり

 知名度で勝る立憲民主党前職の福田昭夫(ふくだあきお)氏が、与野党一騎打ちを制した。小選挙区での勝利を目指した自民党前職の五十嵐清(いがらしきよし)氏は雪辱を果たせなかった。