「よく頑張った」「勇気をもらえた」-。パリ・パラリンピックに出場した車いすテニス女子の大谷桃子(おおたにももこ)(29)=栃木市出身、かんぽ生命=と、同男子の真田卓(さなだたかし)(39)=那須塩原市出身、TOPPAN=の両選手が熱戦を終えた3日、恩師や同級生らは連続出場の偉業をたたえた。「立ち向かう強さを示してくれた」などと健闘をねぎらう声が相次いだ。
大谷は2021年の東京大会に続き2大会連続の出場となった。ダブルスで8強入りを果たすも前回大会に並ぶメダル獲得には届かず、シングルスでは接戦の末に2回戦で敗退した。
小学校から高校まで在籍していたロイヤルテニスクラブ(下野市)で、大谷を指導していた青柳卓真(あおやぎたくま)ヘッドコーチ(45)は「本人の目標でもあったメダルに届かず残念だが、経験が次につながるはず」。3度の腰の手術を経て大会に挑んだ大谷について「心が折れてもおかしくない状況の中、立ち向かう強さを示してくれた」とたたえた。
作新学院高硬式テニス部時代の恩師の松本直人(まつもとなおと)教諭(52)は「結果を見る限りシングルスの2回戦は本当に僅差だった。悔しさがあると思うが、体をいたわりながら次に向けて頑張ってほしい」とエールを送った。
真田は12年のロンドン大会から4大会連続での出場。男子代表4人の中で最年長として臨んだが、シングルスは3回戦で、ダブルスは2回戦で涙をのんだ。小中学校の同級生で大田原市、会社員郡司務(ぐんじつとむ)さん(38)は「本人は悔しいのかもしれないが、4大会連続出場は本当にすごい。尊敬しているし勇気をもらえた。これからも頑張ってほしい」とねぎらった。
「自信を持って笑顔で帰ってきてほしい」。真田の中学生時代にソフトテニス部で指導した同市黒羽中の益子清治(ましこせいじ)教諭(53)は、新聞報道などを通じて海外を転戦する真田の戦績を追ってきた。「今回はテレビ中継で試合を見られず残念だったが、また勇姿を見られることを楽しみにしている」と語った。