夏休みなど長期休暇明けは子どもが不登校になりやすい時期とされる。学校生活に不安を抱える子どもたちに対し、不登校を経験した若者の一人は「辛いときは休むことも選択肢の一つ」とアドバイスする。児童生徒向けに相談窓口を設置している栃木県教委は「1人で抱え込まないでほしい」と活用を呼びかけている。
「学校は確かに大切な場所だけれど、世界はもっと広いよ」
学習支援などを手掛けるNPO法人「栃木県こども応援なないろ」のメンバー、三上響生(みかみひびき)さん(19)=宇都宮市=は不登校の実体験を踏まえ、こう語る。
中学1年の時、夏休みが明けてしばらくして友人関係などに悩むようになり、学校から足が遠のいた。登校できないことで自信を失いかけた時、小説や映画に出合ったことが「自分の糧になった」。現在は都内の大学で文芸を学んでいる。
「学校に行かない期間も含め、人生の大事なステップだったと今では思う。悩んでいる人がいたら『学校が全て』と無理し過ぎないでほしい」と話す。
県教委は不登校や学校生活の悩みに関して、24時間対応の「いじめ相談さわやかテレホン」や、メールなどで相談を受け付けている。