台風10号は30日、九州から瀬戸内海付近を東に進んだ。台風の周辺や太平洋側を中心に大雨が続き、記録的な雨量となっている。9月1日には熱帯低気圧に変わる予報で、栃木県には2日から3日に最接近する見通し。県内は3日にかけて警報級の大雨となる可能性がある。宇都宮地方気象台は「これまでに降った大雨により地盤が緩んでいる所がある。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に警戒してほしい」と呼びかけている。
気象台によると、30日は西日本から東日本の広範囲で、台風本体の発達した雨雲の他、台風から離れた場所でも太平洋側を中心に暖かく湿った空気の影響で記録的大雨が続いた。
熱帯低気圧に変わる見通しだが、気象台は「雨の強さは維持される見込み」と分析。南から暖かく湿った空気が流れ込むため、県内は断続的に雷を伴った激しい雨が降る所があると見込まれる。竜巻など突風の被害を受ける可能性もある。
30日正午からの24時間降水量は多い所で100ミリの予報。31日と9月1日の正午からの24時間降水量は、いずれも多い所で120ミリと予想される。最接近が見込まれる3日前半にかけて1時間降水量は多い所で30~40ミリとなる見通しだ。
県内は8月下旬から度々、激しい雨に見舞われており、同気象台の担当者は「土砂災害の危険性が高まっている。台風の動きが遅く、不確定要素が多いので最新情報を確認してほしい」と強調した。