気管支にバルブを留置し過膨張した肺を正常に戻す手術のイメージ図。肺に空気が入らなくなる(パルモニクスジャパン提供)

 獨協医大呼吸器外科学などのチームは27日までに、呼吸機能が低下する「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)」の重症患者に対し、気管支の中に専用のバルブを入れることで過膨張した肺を正常に戻す手術を実施した。

 手術は5月に行い、国内4例目だった。執刀医の同呼吸器外科学講座の中島崇裕(なかじまたかひろ)准教授は「患者側の負担が少ない手術。治療が広まり、困っている方の助けになりたい」としている。

 中島准教授によると、COPDは肺の炎症性疾患で、2021年の男性の死亡原因の9位に当たり、国内では40歳以上の530万人が罹患(りかん)しているという。症状は体を動かした時のひどい息切れやせきが慢性的に生じる。