まぐろステーキ丼

柔和な笑みをたたえる石原さん

まぐろステーキ丼 柔和な笑みをたたえる石原さん

 「おいしい料理ではなく、まずくない料理を提供するのが役割」。そんな思いで、厨房(ちゅうぼう)に立つ日々という。料理はもちろんだが、店主石原弘巳(いしはらひろみ)さん(64)との会話も魅力の一つだ。

 石原さんはかつて、先輩の料理人から「うまいものを出そうと思わなくていい」とアドバイスを受けた。食の好みは人によって違うため、食べた人全員が「うまい」と感じるのは至難の業。10人中10人が「まずくなかった」と思ってもらえれば、また店に来てもらえるはずだ。

 「海鮮ちらし丼」(1500円)や「ぶり照り焼き定食」(千円)などが並ぶランチメニュー(仕込み状況で変動)の中で、私が選んだのは「まぐろステーキ丼」(千円)。マグロの皮近くの脂身の多い部分をしょうゆベースで味付けし、香ばしく焼き上げた。私の感想は「まずくない」ではなく、「おいしい」だ。

 「マグロが盛りだくさんですね」と話を向けると、石原さんは「それは当たりだったね。もっと少なくしておけば良かった」と軽口をたたき、「記事が載る前に、値上げしようかな」といたずらっぽく笑った。

 ▼メモ 足利市井草町2410。午前11時半~午後2時。午後5時半~8時。月曜夜、土曜夜、日曜、祝日夜は休み。(問)0284・22・2200。