広島市が主催する国内ジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」5日目の1日、本紙記者ら受講者10人が、「平和」をテーマにした観光周遊「ピースツーリズム」を体験した。自転車に乗って市内の資料館など4カ所を巡り、平和への思いを共有した。
ピースツーリズムは来訪者に原爆ドームや平和記念公園以外の被爆建物や復興の象徴となる施設を巡ってもらう取り組みで、自転車や徒歩で巡る六つのコースが設定されている。
この日は、同市観光政策部観光プロモーション担当の井上清香(いのうえさやか)主査の案内で、約2時間かけてコースを巡った。
広島国際会議場を出発し、爆心地から410メートルの「本川小学校平和資料館」へ。崩れた壁や焼け焦げた配電盤が原爆の威力を物語る。その後、原爆の投下目標となった相生橋を渡り、被爆した路面電車の敷石を埋め込んだ散歩道がある「ひろしまゲートパークプラザ」を経由して広島城に。敷地内に残る被爆樹木のユーカリや、原爆被害の第一報が伝えられた「中国軍管区司令部跡」などを見学した。
最後に「袋町小学校平和資料館」を訪れた。被爆直後から救護所として利用された建物の一部を活用しており、家族の消息などを尋ねる伝言が書かれた壁が保存されていた。
同部によると、23年のG7広島サミット以降、ウェブページへのアクセスが大幅に増加。同部は「サミット前後に広島へ注目が集まり、ピースツーリズムに関心を持つ人も増えた」とみている。