【宇都宮】上田町にあるすし店「羽黒寿司(ずし)」でこのほど、ドジョウにまつわる珍しい出来事があった。常連客が、金魚のようなオレンジ色のドジョウ1匹を見つけ、店に持ち込んだ。しばらく店内で飼っていたが、水槽から飛び出して死んでしまった。それでも、店主の小滝正己(こたきまさみ)さん(72)は「何かの吉報かも」と、不思議な出合いを前向きに捉えている。
7月中旬、常連客の70代男性が近隣の農業用水路で捕まえ、持ち込んだ。体長は10センチほど。通常、ドジョウは土のような色だが、その個体は目が赤く、全身が赤みがかっていた。
県なかがわ水遊園(大田原市)によると、色素が不足したアルビノ。ドジョウのアルビノは他の魚よりも出現率が高いという。小滝さんは「御利益があるかも」と、トビウオの卵が入っていた透明なパックを水槽にしてしばらく飼育した。
店ではこの時季、うな重がよく出る。「ドジョウ鍋も扱えというお告げなのだろうか。名物になるなら考えたい」と小滝さん。民話が好きで、動物が恩返しする話を信じている。