昭和の風情を残す鬼怒川温泉街の路地にある「あわじ食堂」は店主淡路アヤ子(あわじあやこ)さん(73)の祖母が1953年に開店し、70年以上の歴史を積み重ねてきた老舗。ラーメン好きの集まるお店として知られるが、こぢんまりした店舗に席数はわずか10席。昼時は大抵満席になるという人気店だ。
開店当初は焼きそばのみの提供だったというが、ラーメンなどのメニューが年々増え、近年の一番人気は酸辣湯麺(スーラータンメン)。
器からあふれんばかりのスープと麺はボリュームたっぷり。黒酢を使っているため酸っぱさは控えめでありつつ、詳細は企業秘密という自家製ラー油の強めの辛さのバランスが癖になり、食欲をそそられる。
酸辣湯麺を目当てに県内外から何度も訪れる客が多く、「暑い季節は(注文が)出ないと思って作り始めたけど、これを汗かきながら食べるのが良いんだって」と淡路さんは優しく笑う。
他のメニューも含め、スープ、チャーシューなどの具材はほとんどが手作り。こだわりの味に加えてお店全体が醸し出す優しい雰囲気も、お客を集め続ける理由かもしれない。
▼メモ 700円(現金のみ)▽日光市鬼怒川温泉滝596▽営業時間 午前11時~午後3時▽定休日 不定休▽(問)0288・77・0370