王座決定戦で右フックを決める箕輪(左)=東京都の後楽園ホール

新王者となったチャオズ箕輪=東京都の後楽園ホール

王座決定戦で右フックを決める箕輪(左)=東京都の後楽園ホール 新王者となったチャオズ箕輪=東京都の後楽園ホール

 宇都宮市出身の女子プロボクサーがアジアの頂点に立った。14日に行われた世界ボクシング機構(WBO)アジアパシフィック女子スーパーフライ級王座決定戦(東京・後楽園ホール)で、ワタナベジム所属のチャオズ箕輪(みのわ)=本名・箕輪綾子(あやこ)=がTKO勝ちし、2年半ぶり3度目のタイトルを獲得した。WBO制覇は初。ピンクのチャンピオンベルトを手に、「試合内容も充実していて気持ちが良かった」と喜びを語った。

 わずか1回1分43秒の快勝劇だった。世界女王の経験もある相手に対し、開始のゴングとともに積極果敢な攻めを展開。ステップを刻みながらフェイントを入れ、ガードが緩くなった瞬間に右フック。「『決まったな』という手応えがあった」と振り返る一撃でダウンを奪った。

 フライ級から階級を上げて挑んだ一戦。相手のパワーも耐久力もスケールアップした中、会心の一発でリングに沈めた。その背景には「1年半前からトレーナーさんに付いてもらい、全身の筋力強化に励んできた」という努力があった。満足感をにじませる一方、「興行的な意味では、もう少し長く試合をしたかったかな」と冗談も口にした。

 アジアを制し、残すは世界のみ。世界王座は過去3度挑戦してきたが、「以前より距離は確実に近づいている」と自信をのぞかせる。試合後の勝利インタビューでも、現WBO女子世界スーパーフライ級王者の昼田瑞希(ひるたみずき)との対戦を熱望。「マッチングは選手だけでは決められない。ファンの『見たい』という声を大きくすることが大切」と期待感をあおった。

 宇都宮の餃子(ぎょーざ)の中国語読みにちなんだリングネーム“チャオズ”を背負い、プロデビューから8年。年齢も30代後半に差し掛かったが、「経験値やメンタルなど成長できているところが多い」と衰えを見せない。「世界一になるまでは辞められません」と当面リングで戦い続けることを誓った。