川又均主任教授

 獨協医大口腔(こうくう)外科の川又均(かわまたひとし)主任教授(63)を中心とした医療チームが今月下旬から約1週間、医療資源が乏しいモンゴルの地方を訪れ、口腔外科分野の医療支援を行う。生まれつき唇が割れている「口唇裂(こうしんれつ)」など先天異常の子どもら約30人を対象に診察や手術をする計画。2007年から毎年続く取り組みで新型コロナウイルス禍により中断したが、23年から4年ぶりに再開した。

 医療支援は、日本口唇口蓋裂(こうがいれつ)協会(名古屋市)が取り組む海外医療援助プロジェクトの一環で行っている。渡航は29日~7月8日で、獨協医大の口腔外科や麻酔科などから約10人が参加。愛媛大からも数人加わる。

 診察や治療は口唇裂の他、口内の上部が裂けて鼻腔(びくう)と口腔がつながっている口蓋裂を中心に行う。いずれも新生児の500人に1人の割合で生じると言われる先天異常。処置は体の表面の手術のため術後管理が比較的容易という。患者は主に子どもで期間中に約30人を診察、約25人の手術を想定する。

 活動拠点はモンゴルの首都ウランバートルから約550キロのチョイバルサン。未舗装や草原の中を車で約13時間かけて向かう。モンゴルの医療チームと共に行動し、モンゴル人医師の技術向上にもつなげる考え。

 川又主任教授は「途上国では口唇口蓋裂の専門家が少ない。治療が必要な人のためにできることをしっかり行いたい」と語った。