城館跡を踏査した結果をまとめた「日光市の城館跡2」

 【日光】市歴史民俗資料館はこのほど、調査報告書「日光市の城館跡2」を発行した。中世を中心に日光、藤原、足尾、栗山各地域の城館跡16カ所を紹介。所野の小倉山城など日光山周辺も、上空から見た平面図「縄張図」を活用するなどして詳しくまとめている。

 同館は市教委と共同で2020~21年度に今市地域、22年度は日光・藤原地域を中心に踏査を実施。城郭史料研究会の関口和也(せきぐちかずや)さん(埼玉県在住)が協力した。今市地域の調査結果は22年度に「日光市の城館跡1」としてまとめている。

 今回の報告書は、城館跡の紹介と関係資料の2部構成。「県埋蔵文化財地図」や古文書などを基本にリストを作成し現地踏査した。地名や伝承から、かつて城館が存在したと想定できるものも対象に含めた。

 報告書によると、戦国時代の築城と考えられる小倉山城は最近になって存在が確認されたが、城主や築城目的は不明。日光山に近接していることが注目点で、大谷川北側の防衛拠点として同山に築かれた可能性が高いとしている。また、上三依の鶴ケ渕(つるがぶち)城など藤原地域の城館も紹介している。

 同館は「まだ残されたものもあるので掘り起こしていきたい。多くの方に興味を持ってもらえれば」としている。同館で販売しており59ページ、1部500円。(問)同館0288・25・7333。月曜休館。