【鹿沼】任期満了に伴う市長選は、9日の投開票日まで残り2日となった。いずれも無所属新人で、元県議の歯科医師小林幹夫(こばやしみきお)氏(70)=自民、公明推薦、前県議の団体職員松井正一(まついしょういち)氏(58)が激しい一騎打ちを繰り広げている。立ち上がりが早かった松井氏が先行、小林氏が猛追する展開で、無党派層の取り込みと投票率が焦点だ。
小林氏は、自民「総力結集」の組織力で追い上げてきた。選対本部長の五十嵐清(いがらしきよし)衆院議員と事務長の神谷幸伸(かみやゆきのぶ)県議との3人で街頭に立つなどのほか、小林、神谷両氏の各後援会がフル回転。市議13人が支援して、自公支持層を固める。
「鹿沼を建て直す」と訴え、インパクトの強いチラシのシリーズで「小中学生の給食費完全無償」「保育料第一子から月額1万円減免」などの公約の浸透を図ってきた。最終盤では、かわいらしいデザインのチラシ配布で子育て世代へさらにアピール。「市役所改革」も訴え、票の上積みを目指す。
松井氏は、一党一派に属さない「無所属・市民党」を標榜(ひょうぼう)。立憲民主党を離党して臨み、自公支持層の取り込みを図っている。
自身の後援会組織は市内16支部が根を張る。自民系を含む市議11人の後援会が精力的に動き、佐藤信(さとうしん)市長のほか、立民の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員の後援会が応援する。
「市民が主役の政治」を主張。「財政規律を守る」としつつ、終盤戦では「市いちごっこ出産・子育て応援給付金倍増」「就職応援給付金制度の充実」などの公約を強調。チラシや遊説を通して丁寧に説明するほかSNSでも発信し、無党派層の取り込みを図る。
投票率は、両陣営とも前回(55・59%)を下回るとみる。昨秋の市議選(46・96%)も低迷した。「50%を切る」との見方も強い。