さまざまな瓦を展示している企画展

 【下野】県内の遺跡から出土した瓦の生産工程や文様の謎に迫る春の企画展「古代の瓦が伝えること-瓦礫(がれき)じゃないよ宝だよ」が6月30日まで、紫の県埋蔵文化財センターで開かれている。下野国分寺跡や下野薬師寺跡から出土した瓦や、両寺院に瓦を供給したことで知られる乙女不動原瓦窯跡(おとめふどうはらかわらかまあと)(小山市)で見つかった瓦など計33点の瓦を展示している。

 乙女不動原瓦窯跡が国史跡に指定されてから45周年となることにちなみ、古代の瓦に再度注目してもらおうと同センターが企画した。邪をはらい、災いから寺や人々を守る「鬼瓦(おにがわら)」や下野国内の群の名前が刻まれた「文字瓦(もじかわら)」などが並べられている。

 同センター普及活用課主任石橋宏(いしばしひろし)さん(46)は「今回の企画展では美しい模様の瓦を見たり、国分寺の瓦生産について理解を深めたりできる。瓦の破片から歴史的な手がかりが分かることをぜひ知ってほしい」と来館を呼びかけている。

 企画展に合わせ、下野国分寺跡や那須官衙遺跡(那珂川町)などを発掘調査した島根大法文学部の大橋泰夫(おおはしやすお)教授による講座が同センター内の研修室で行われる。申し込みの詳細は同センターのホームページを参照。定員50人を超えた場合は抽選となる。

 無料。土曜、祝日休館。開館は午前9時半~午後4時半(最終入館は4時)。

 (問)同センター0285・44・8441。