メジャーデビューするシーオンの佳子(右)と杏実

シーオンのメンバー。右から杏実、佳子(トイル&モイル提供)

メジャーデビューするシーオンの佳子(右)と杏実 シーオンのメンバー。右から杏実、佳子(トイル&モイル提供)

 本県出身のミュージシャン佳子(かこ)(25)と杏実(あみ)(25)が所属するガールズユニット「C;ON(シーオン)」のメジャーデビューが決まった。5月6日、東京都渋谷区の「LINE CUBE SHIBUYA」(渋谷公会堂)で行う記念ライブは、既にチケットが完売した。共に宇都宮短大付属高の卒業生。高校時代から音楽の絆で結ばれた2人は、晴れ舞台を前に「音に感謝の気持ちを込めて演奏したい」と意気込んでいる。

 シーオンは2017年に結成。現在、ボーカル2人とピアノ、アルトサックス、ユーフォニウム奏者の計5人で構成し、これまでジャズやロック、ポップスと幅広いジャンルの曲をリリースしている。23年、「Last Order」のミュージックビデオ配信を機に、動画投稿サイト「ユーチューブ」の登録者が10万人を突破した。

 アルトサックスの佳子は日光市出身。高校卒業後、音楽大に進学したが「クラシックの演奏家になる自分の姿が想像できなかった」と振り返る。歩む道を探っていた頃、インターネット検索でユニット結成を知り、応募したという。17年、サポートメンバーに採用され、翌年には正式メンバーとなった。

 ピアノの杏実は下野市出身。高校在学中、進路選択で演奏家の道を諦め、大学進学後は教師を目指していた。学校祭や校内試験で共に舞台に立った佳子が、アーティストとして輝く姿を交流サイト(SNS)で目にして「やっぱり人前に出たい」。そんな思いが強くなっていたところ、佳子に誘われ、21年に加入した。

 奏者としてボーカルとの調和を意識する2人。「声に近い楽器」といわれるサックスを生かすため、佳子は「軟らかく滑らかな音を出している」。杏実は「ソロでは思いっきり弾き、バラードは優しい音色でボーカルに寄り添っている」と工夫を凝らす。

 一方、演奏中の表現を豊かにしたり、休符のタイミングでポージングを意識したりと、アーティストとしてパフォーマンスを常に考えているという。

 メンバーの脱退やライバルグループの活躍と、苦労しながら地道な活動を続け、つかみ取ったメジャーデビュー。「まだ実感がないけど、デビューに向けてみんなが一つになっている」と強い結束を感じている佳子。杏実は「誰もが知っているグループになりたい」と夢が膨らんでいる。