県教委の玉田特別支援教育課長(左)に意見書を提出する保護者ら=17日午前、県庁南別館

 栃木、那須両特別支援学校の寄宿舎の存続を求める保護者らが17日、阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長宛てに懇談会の開催を求める依頼書を提出した。県教委が設置した有識者検討会が3月、県教委の閉舎方針を支持する報告書をまとめたことを受け、「疑問が残る内容。県教委には説明責任を果たしてほしい」などと訴えている。

 検討会は、障害の有無にかかわらず地域で共に学ぶ「インクルーシブ教育」などの観点から、「(寄宿舎の)発展的解消が適当」と結論付けた。

 これに対し、保護者側は依頼書で「発展的という表現が曖昧」などと疑問視し、卒業生や在校生の保護者らを交えた懇談会を開くよう要望。17日は那須、栃木両校の存続を求める会の代表者3人が、県教委の玉田敦子(たまだあつこ)特別支援教育課長に依頼書を手渡した。

 提出後に県庁記者クラブで会見した菊池忍(きくちしのぶ)さん(50)は「何をどう発展させるのか具体的な議論がないまま寄宿舎が閉舎されたら、子どもたちの学びがなくなってしまう」と話した。