厚みのあるハンバーグの周りを、きつね色に焼かれたチーズが囲む。スプーンを差し込み、下に隠れていた熱々のカレーとともに持ち上げると、チーズがこれでもかと伸びる。
滑らかな舌触りのチーズがカレーの辛みを中和し、ジューシーなハンバーグと相まって、3者が絶妙なバランスを織り成す。カレーには細かく刻まれたニンジンやタマネギがたっぷり。底にはご飯が敷き詰められていて、一皿で大満足だ。
店は社会福祉法人同愛会が2021年6月、運営するバリアフリー温泉宿「なかが和苑(えん)」の敷地内で開いた。
店内には、戦中戦後に那須烏山市内に工場があった往年のオートバイメーカー「目黒製作所(メグロ)」の車両が複数並ぶ。同法人の菊地月香(きくちらぎか)理事長(45)の家族が知人から譲り受けた物という。菊地さんは「那珂川町には道の駅があり、ライダーが多い。メグロを知ってもらう機会になれば」と語る。
店では障害者就労支援事業所の利用者が敷地内の畑で作った野菜を使う。菊地さんは「地域の方々にも訪れてもらい、店が利用者と社会をつなぐ場になってほしい」と話している。
▼メモ 焼きカレーハンバーグは900円▽那珂川町小口1728▽営業時間 午前11時~午後4時(ラストオーダーは3時半)▽定休日 月、火曜(祝日は営業)▽(問)0287・83・8106。