鉄火重

店内で笑顔を見せる片岡さんファミリー

鉄火重 店内で笑顔を見せる片岡さんファミリー

 「きれいですね。お花ですか?」。冗談ぽく振ると「いいえ、限定5食の平日ランチです。取材とはいえ、忖度(そんたく)なしの盛り付けです」と片岡愛和(かたおかひでかず)店長(33)が笑顔で応じてくれた。

 花弁に見立てたマグロの切り身15枚が重箱を囲む「鉄火重」(1100円)。卵黄やネギトロ、大葉などが中心部を彩っている。

 採算度外視のメニューとあって瞬時に完売する。予約や取り置きも不可と狭き門。希望者は開店時の午前11時半、整理券代わりの人形「さるぼぼ」を手に取り、席に座る。売り切れ後に「どうしても」という人には昼、夜とも通常料金(1650円)で提供している。

 店は、高根沢町光陽台2丁目にあった「穂づみ」が移転し、先月29日に新装オープンした。鉄火重は、移転前の人気メニューを「グレードアップさせた」と片岡店長。マグロの仕入れ先である宇都宮市の仲卸会社「米金水産」の協力があって継続できているという。

 ご飯は、白米か酢飯かが選べる。このほか、あら汁や本とろろ、小鉢、おしんこが付く。

 うなぎや事前予約の仕出し弁当も好評だ。片岡店長の父であり親方の利行(としゆき)さんと母の千晴(ちはる)さんも含め、3人の気さくな人柄は料理ともども人気を集めている。

 ▼メモ さくら市氏家1083の2。午前11時半~午後2時、午後5時半~9時。水曜定休。(問)028・612・3049。