豚丼大盛り

のれんの前に立つ大塚さん夫妻

豚丼大盛り のれんの前に立つ大塚さん夫妻

 甘辛いたれで焼かれた豚肉が器からはみ出し、香ばしい匂いとともに食欲をそそる。豚丼大盛り(1300円)をかきこむと満腹で幸せな気分になった。

 店主の大塚茂芳(おおつかしげよし)さん(64)は豚丼好きが高じて、昨年10月に店を開いた。飲食業の経験はなかったが、新型コロナウイルス禍が落ち着いたことから「やるなら今だ」と居抜きで始めた。

 会社員だった2013年、出張先の北海道帯広市で名物の豚丼に出合い、「衝撃が走った」。その後も、豚丼のために妻幸枝(さちえ)さん(65)と道内を巡るほど、味にほれ込んだ。

 県産ブランド豚のロース肉と日光産コシヒカリを使い、本場の北海道からたれを取り寄せる。豚肉の厚みにこだわり、「肉を味わうには、焼き上がりで5ミリは必要」と力説する。

 普通盛り(千円)でもボリュームがあるが、何人もの客から「大盛りの上が食べたい」とリクエストが寄せられ、特盛り(1700円)をメニューに加えた。

 帯広など北海道出身者らが「地元の味」と認めて通うという。茂芳さんは「自分で食べたいものを作っているだけなんだけどね」と照れ笑いを見せた。

 ▼メモ 宇都宮市茂原町844。午前11時半~午後2時半(土曜は午前11時~午後3時)。木、金曜の午後4~7時はライブスペースとして営業。日、月曜定休、土曜不定休。(問)080・4320・2010。