墓前で手を合わせる人たち

 【栃木】市出身の文豪山本有三(やまもとゆうぞう)の没後50年の命日に当たる11日、万町の近龍寺内にある有三の墓で「一一一忌(有三忌)」が行われた。

 有三の功績を顕彰するNPO法人山本有三記念会が1986年から毎年実施している。今年は大川秀子(おおかわひでこ)市長をはじめ市職員、東京都三鷹市の山本有三記念館の関係者ら約80人が参列した。

 同寺住職による読経の後、有三の母校である栃木中央小の児童3人が、有三の作品に関する作文を発表した。6年荒川虹七(あらかわにいな)さん(11)は「有三先生の言葉を胸に、一日一日を大切に過ごしたい」と力強く話した。

 同記念会の大塚幸一(おおつかこういち)会長(74)は「山本有三の精神は市の教育計画にも反映されている。今年はゆかりの地を巡る文学散歩など、新型コロナウイルス禍でできなかったことを再開したい」と話した。