しもつけ21フォーラムで講演する山地氏=21日午後、宇都宮市本町

 下野新聞社の会員制組織「しもつけ21フォーラム」の12月例会が21日、宇都宮市内で開かれ、中小企業基盤整備機構(中小機構)副理事長の山地禎比古(やまぢよしひこ)氏(62)が「中小企業の未来を拓(ひら)く変革のすすめ」と題して講演した。

 中小企業が置かれている状況について、人口減少に伴う人手不足や国内市場の縮小、エネルギー価格の上昇、脱炭素化へのシフトなどを挙げ、「環境は大きく変化しており、厳しい状況」との見方を示した。その上で「こういう状況の時こそ変革していくことが大切だ」と強調した。

 新型コロナウイルス禍で大企業を中心にデジタル化が進展しつつあるが、「中小企業では少し遅れが見られる」と指摘。「経営者がIT化に積極的に関与することで、企業の業績もプラスになる」と話した。

 また、海外の人件費上昇や円安基調の為替相場、政情不安などから国内回帰を進めた企業もあるとした。

 中小企業の支援機関である中小機構は企業の課題や現状を踏まえ、生産性向上、海外販路開拓、事業承継、脱炭素化などに関するさまざまな支援策を提供していることを紹介。活用を呼びかけた。

 山地氏は愛知県出身。1984年に中小企業事業団に入団。中小機構の理事などを経て2023年4月から現職。