「名誉県民」や「県民栄誉賞」という称号を聞いたことはありますか。「偉人」最終回は、栃木県お墨付きの皆さんを紹介します。

 「社会の発展に卓絶(際立って優れていること)した功績があり、県民が郷土の誇りとしてひとしく敬愛する」人に贈られる称号が名誉県民。次の3人がいます。

 2002年に本県初の名誉県民となった陶芸家島岡達三さんは、益子町に窯を築きました。縄文式土器にヒントを得、組みひもを転がしてできる縄目に白土を埋め込む技法「縄文象嵌」で独自の世界を確立。1996年には人間国宝にも認定され、日本を代表する陶芸家の一人として知られます。

 塩谷町に生まれ、日本歌謡界の第一人者として数々のヒット曲を生み出した作曲家船村徹さん。代表作には「別れの一本杉」「矢切の渡し」「王将」などがあります。王将といってもギョーザではありません。小学生の皆さんのおじいさん、おばあさんなら歌える人も多いでしょう。

 宇都宮市が「ジャズのまち」を掲げる背景に、同市出身の世界的ジャズサックス奏者渡辺貞夫さん(90)の存在があります。子どもたちへの音楽指導で身近に感じる人も多いのではないでしょうか。

 名誉県民や県民栄誉賞をもらうには「世界的な活躍や、その道の第一人者になることなどで、県民に夢や希望を与えること。県民から愛されていることも大切でしょう」と、県人事課の担当者。皆さんが好きな、または得意な分野を突き進んだ先に、これらが待っているかもしれません。

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