犯罪被害者や遺族の心情を刑務所や少年院の担当職員が聴き取り、受刑者に伝える伝達制度が今月から始まった。被害者が心情を吐露することでの心理的負担の軽減や、受刑者が被害者の思いを知り更生につなげる狙いがある。ただ、刑務官は日頃、受刑者の監視や社会復帰支援が主な業務で、被害者と接する機会はなく、被害者や遺族を傷付けてしまう二次被害の防止などが課題となる。そうした中、栃木刑務所は15日、独自の研修会を開き、被害者に寄り添い心情を聴き取る技術を学んだ。担当者は「被害者の生の声をしっかり聞いていきたい」と話した。
「謝罪の言葉もなく本当に許せない」「人生を狂わされた」。死亡ひき逃げ事故で娘を亡くした父親役の刑務官が語気を強めた。
「皆さん大変だったんですね」。聴取役の刑務官は言葉に何度もうなずいた。
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