SOONの特集面「Webオリジナル」では、紙面とは異なる切り口で県内外に向けて“とちぎの今”を発信している。2023年に公開した数多くのWebオリジナルの中で、デジタル報道部員が特に思い入れのある記事をそれぞれ選んだ。裏話や当時の思いを振り返り、改めて記事の魅力を紹介する。

 

人気YouTuberしるこさんのイベントに潜入(2月6日)

 栃木県在住の人気YouTuber(ユーチューバー)、しるこさんの初めての単独イベントを記念し、インタビューと栃木県でのイベントの様子をウェブオリジナル記事で公開した。

 きっかけは、しるこさんの雑談配信を見ていた時に流れてきた「下野新聞で取り上げてくれたら」という趣旨のコメント。1ファンでしかなかった自分が、しるこさんと読者をつなぐ役割ができるかもしれない。「絶対に私が取材する」と心に決めた瞬間だった。

 ファンとしての思いを、ぐっと抑えて臨んだインタビュー。それでも緊張のあまり頭は真っ白。行ったり来たりする話に気長に付き合ってくれたしるこさんの優しさに感動すると同時に、記者としての未熟さが恥ずかしかった。

 インタビューを公開してから迎えたイベント当日、記者に対するファンの反応に驚いた。誰もが笑顔で取材に応じてくれる。思わず、しるこさんにもファンの対応の素晴らしさを熱く語ってしまった。

 取材後、しるこさんにウェブオリジナル記事に加え、紙面掲載もお願いすると快諾していただいた。掲載後、多くのファンが「推しが新聞に載るなんてうれしい」とX(旧ツイッター)でコメントを寄せてくれた。やってよかった-。間違いなく、記者人生で印象深い仕事の一つになった。

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#私の好きなとちぎ(6月15日)

 県民の日の6月15日、栃木県は誕生150年を迎えた。紙面とは違った角度でお祝いの日を盛り上げたい-。SOON編集部は、交流サイト(SNS)を使い、栃木県の好きなところをアンケートで募ることにした。

 ウェブオリジナルの企画名は、「#私の好きなとちぎ」。当初は「100人くらいから回答が集まればいいな」と思っていたが、開けてびっくり。10日間で750人もの県民らが協力してくれた。多くの協力が得られたのはうれしかったが、想定以上の回答数で集計作業に頭を抱えることもあった。

 ウェブの記事では、回答が多かったトップ3を紹介したほか、ジャンルごとの分析もまとめた。グラフや動画も作成し、読者が飽きずに楽しめるようなウェブ展開を目指した。

 公開した企画を見返すと、栃木県がどれだけ県民に愛されているかを実感することができた。どのジャンルも温かなお祝いコメントであふれた。目を通しながら「栃木県に生まれてよかった」と心から感じた。

 デジタル化が進む今だからこそ、ネット上で読者とつながることができる。750人分の思いを乗せて、栃木県の魅力を県内外に広く伝えることができたのではないか。これからもデジタルを駆使し、よりよい情報を届けていきたい。

>>記事>>栃木県の「好きなところ」は? SNSアンケート 925の「栃木愛」
<特集面>#私の好きなとちぎ

帰ってきたふるさと宮まつり(8月1日~6日)

 今年、4年ぶりに通常開催された「ふるさと宮まつり」。みこしや屋台のにぎわいに、「やっと県都の夏が戻ってきた」と実感した人も多いのではないか。

 SOON編集部では、ウェブオリジナル企画「帰ってきたふるさと宮まつり」を全5回にわたって連載した。祭りをより楽しんでもらおうと、グッズや浴衣の着こなし、髪型のトレンドなどを紹介。特に、祭りのスケジュールをまとめた記事は閲覧数が多く、待ち望んでいたファンの多さを実感した。

 祭り2日目には、宮っ子記者2人が現地からリアルタイムで情報を発信。子どもらのダンスや威勢のよいみこし、イベントの様子を動画や写真で紹介した。会場には、この日を待ち望んでいたと言わんばかりの笑顔であふれていた。

 宮っ子記者2人組はというと、ずらりと並ぶ屋台の誘惑や猛暑に負けそうになる場面もしばしば。レインボーアイスやかき氷を頬張る浴衣姿の若者たちが、汗まみれのわれわれの目にはまぶしく映る。久しぶりの宮まつりに圧倒されながらも、一瞬一瞬を届けることに熱を注いだ。

 午後8時過ぎ、闇夜の中で木やりが祭りの終わりを静かに告げる。じっと耳を傾けながら、一大イベントを完成させた主催者らの苦労に思いをはせ、ついでに企画をなんとかやり遂げた互いをねぎらった。

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