限定品に弱い庶民の一人として、老舗和菓子店が作る「こしあん入りカットケーキ」(380円)に磁石のごとく吸い寄せられた。
今期の販売は11月25日から来年4月中旬までの土曜、日曜限定。各曜日、少数生産のため、事前予約がお勧めとか。
紙屋は砂糖菓子を扱う店として1885(明治18)年、喜連川で創業した。4代目で社長の佐藤公一(さとうこういち)さん(63)と5代目の亮太(りょうた)さん(33)ら、家族で切り盛りする。
亮太さんは4年前、先輩から「ウエディングケーキを作ってくれないか」と依頼され、あんこを挟んだ四角いケーキを完成させた。新郎新婦、来場者たちに好評だったこともあり、その後、カットケーキとして商品化した。
北海道産のあずきを使用する自家製あんこと、それと合うように甘さを調整したクリームを、軟らかなスポンジでサンドする。アクセントとなるイチゴの酸味が「全体のバランスを取る役目」(亮太さん)という。イチゴは地元産のとちあいかを主に使っている。
ほかにも、大正時代に宮内庁へ献上したという落雁(らくがん)風のお菓子「樺山錦(かばやまにしき)」がある。製造方法もパッケージも当時のままだ。歴史を感じさせるレトロな“たたずまい”が気に入り、一緒に写真に収まってもらった。
▼メモ さくら市喜連川4379。午前8時半~午後5時半。月曜定休。不定休あり。(問)028・686・2008。