「ジュー」。香ばしい音とともにケチャップの香りが漂い、食欲をそそられる。
陽東1丁目から移転し、9月末にオープンした喫茶店。店の雰囲気やメニューは“昭和”を感じさせる。
看板メニューは「喫茶店のナポリタン」(850円)。銀皿にたっぷり盛られた麺を口に運ぶ。酸味を含んだ匂いとは裏腹に、まろやかな甘みが口いっぱいに広がった。ゆでてから冷蔵庫で一晩寝かせている麺は、もちもち。食感が楽しめるだけでなく、ケチャップのうまみを引き立てる。
「ナポリタンの酸味が苦手だった」とオーナーシェフの高橋康予(たかはしやすよ)さん(52)。さいたま市内の商店街で生まれ育ち、小さい頃から街なかの喫茶店やデパートのレストランが大好きだったという。幼少期の記憶を元にレシピを工夫し、夫崇広(たかひろ)さん(50)、長男耀馬(ようま)さん(19)と店を切り盛りする。
近年のレトロブームにあやかり「クリームソーダ」(500円)と自家製プリン(450円)も所望。平成生まれの記者にとっては、ノスタルジックだけど新しい。世代を超えて愛される文化が、ここにあった。
◆メモ 宇都宮市泉町3の6▽営業時間 午前11時半~午後7時半(日曜、祝日は午前10時半~午後3時半)▽定休日 月曜(火曜は不定休)▽(問)028・306・1155