鉄板トンテキ定食

磯元弘さん

鉄板トンテキ定食 磯元弘さん

 熱々の鉄板から立ち上る蒸気で眼鏡が曇り、視界は奪われた。ジュージューという音と香ばしい匂いが食欲を刺激する。柔らかく焼き上げられた豚肉に甘辛いタレが絡み、山盛りのご飯も平らげてしまう。看板メニュー「鉄板トンテキ定食」の満足感、えびす顔になること間違いない。

 主役は豚肉だけではない。鉄板に敷き詰められた粗めの千切りキャベツは、時間が経つにつれて熱で蒸されてクタッとした食感に。タレと豚肉の甘みが染み込み、キャベツだけでもご飯が進む。

 トンテキの味付けは3種類。合わせ味噌(みそ)と3種類の醤油(しょうゆ)で仕込んだ甘辛味の特製タレが定番だが、黒こしょうが効いた「ネギ塩」、爽やかな香りとさっぱり味が特長の「ジンジャー」も捨てがたい。

 大田原市出身の店主磯元弘(いそもとひろ)さん(48)は高校卒業後に飲食業の世界に飛び込み、都内の和食料理店で経験を積んだ。30歳で独立し埼玉県などで焼き肉店や居酒屋を経営した後、今年6月に店をオープンさせた。「地元のおいしい食材を使って、長くお店を続けていきたいですね」と柔和な笑みを浮かべた。

 ▼メモ 鉄板トンテキ定食は1280円▽大田原市美原1丁目3の7▽営業時間 午前11時~午後2時半、午後5時~9時半(いずれもラストオーダーは30分前)▽定休日 木曜(月に1回連休あり)▽(問)070・9158・4129。