閉舎が延期された那須、栃木の両特別支援学校寄宿舎の問題で、県教委は20日、有識者検討会が16日に非公開で実施した保護者らの意見聴取の内容を公表した。寄宿舎について「友達との関わり方を学べる」と教育的な役割を評価する意見が上がった一方で、「寄宿舎でなければ自立できないという意見には疑問」との考えもあったとしている。
意見聴取では特別支援学校に通う子どもの保護者ら計18人が出席した。寄宿舎や児童生徒の生活指導、教育と福祉の連携などについて意見を聞き取った。
寄宿舎を評価する意見では「子どもの発達レベルに合わせ、入浴、洗濯の仕方など日常生活に必要なことを繰り返し教えてくれる」「寄宿舎指導員らが父親、母親代わりとなってサポートしてくれる」などがあった。
一方、閉舎を容認する声もあり「寄宿舎を利用できるのは入舎要件に合う子どものみであるため、不公平さを感じる」「家庭、教育、福祉が連携すれば、寄宿舎がなくても自立できる」などの意見だった。
県教委が2021年11月に両校の寄宿舎閉舎を発表してから2年近くになる中、「課題を早く解決し、学校が教育活動に専念できるようにしてほしい」と求める声もあったという。
次回の第4回会合では、子どものいる時間帯での寄宿舎視察を行うという。