本県が誇るブランド地鶏「栃木しゃも」の魅力が全て詰まった一品だ。
つくね(1本350円)は1羽分のさまざまな部位の肉をひき肉にし、つなぎに全卵と肉から抽出した鶏油、骨を煮詰めたスープを加える。塩、酒、ショウガの搾り汁で味を調え、みじん切りのタマネギを加えて成形する。
秘伝のたれを塗り備長炭で焼くと、香ばしい香りが店内に広がる。かむと肉のジューシーさと甘みが口に広がり、タマネギのさっぱり感が後追いする。
「うまみの固まりって感じでしょう」と店主の石川貴史(いしかわたかふみ)さん(49)。鹿沼市内の契約農家から仕入れた丸鶏を店で部位ごとに切り分け、焼き鳥として提供している。20年ほど前に初めて食べた栃木しゃもの歯応えや味わいに魅了され、12年前に開業。2020年4月に店名を変え、現在の場所に移った。
築100年という古民家の落ち着いた雰囲気も手伝い、市内外から左党が訪れる。日替わりで10種類の焼き鳥が楽しめる「10本焼き(2900円)」や親子丼(950円)も人気。「一度食べてもらえば、おいしさを分かってもらえるはず」という石川さんの言葉に思わずうなずいた。
▼メモ 鹿沼市末広町1916。午後6~11時半(焼き物のラストオーダーは10時半)。日曜定休。テイクアウト可。(問)0289・78・4379。