公開された動画のサムネイル

室内を360度カメラで撮影する長岡さん

公開された動画のサムネイル 室内を360度カメラで撮影する長岡さん

 【那須烏山】市は9月27日、市の空き家バンクに登録している物件を仮想現実(VR)で内覧できる動画をユーチューブの市公式チャンネルで公開したと発表した。視聴端末の本体を動かすなどすると、視点が動き、室内の気になる部分を詳細に確認できる。移住定住促進に取り組む市地域おこし協力隊の長岡周平(ながおかしゅうへい)さん(21)が撮影、編集した。市は内覧希望者の利便性向上や空き家の売買・賃貸契約の成立件数増加を期待している。

 市によると、空き家バンク制度でのVR内覧動画の制作は県内で初めて。公開した動画は約6分。360度カメラで撮影した部屋ごとの映像を一定時間流す。視聴者は、視聴するスマートフォン本体の移動やパソコンのカーソル操作で視点を任意の位置に変えられ、ズームもできる。

 公開したのは1物件分だが、現在制作中の物件が2件あり、完成次第公開する。

 企画した長岡さんは本年度、協力隊に着任し「早いうちに成果物を残したい」と思案。これまで、登録物件は外観や室内の写真数枚で紹介されており、「間取り図や写真だけでは伝わらない雰囲気を伝えたい」とVR動画作成に至った。

 市まちづくり課によると9月27日現在、本年度中に登録物件の売買・賃貸契約が成立したのは8件で、昨年度の11件に迫っている。川俣純子(かわまたじゅんこ)市長は新型コロナウイルス禍での地方移住の流れなどが背景にあるとみており、「市に来なくても内覧できる。より一層成約数が増えるのでは」と期待感を示した。