【宇都宮】市民に歯と口腔(こうくう)の健康維持に取り組んでもらおうと市は10月から、歯科健診の対象年齢を現行の30~75歳から、20~85歳に拡大する。最初の健診機会となる20歳は自己負担無しの無料とし、若い世代の受診を促進する。市健康増進課の担当者は「歯科健診の受診率は昨年度7・2%で、他の健診と比べ低い。対象拡大を機に健診への意識啓発を図りたい」としている。
これまで市の歯科健診は、30歳から75歳まで5歳刻みで実施。市の全ての健診が無料となる70歳以上を除き、30~65歳は自己負担1010円で行っている。
現行の対象年齢では、学校歯科健診から30歳まで健診のない期間が長いため、今回新たに20、25歳を対象に追加。高齢の世代も、加齢とともに口腔機能が低下する「オーラルフレイル」を予防して生涯にわたり健やかに過ごせるよう、85歳まで対象年齢を引き上げる。これにより、学校歯科健診から高齢期まで切れ目のない健診を実現していく。
新たな対象年齢の健診は10月1日から、指定歯科医療機関の257機関で実施する。20歳の対象者には「歯たち(ハタチ)の歯科健診無料券」を送付し、受診を促す。
市は対象年齢の拡大に合わせ、健診の周知活動を展開する。市内プロスポーツ選手が受診を呼びかける動画を市内6カ所のデジタルサイネージや各地区市民センターとバス停のモニターで放映するほか、啓発ポスターを医療機関や薬局など約400施設に配布する。
同課の担当者は「健診のプロケアと日頃のセルフケアを合わせ、歯の健康づくりに努めてほしい」と呼びかけている。