【鹿沼】佐藤信(さとうしん)市長は20日、茂呂の特別養護老人ホーム「おりづる」に入所する県内最高齢者で109歳の安藤(あんどう)テイさん=貝島町=を訪ね、長寿を祝うフラワーアレンジメントを贈った。
安藤さんは4年前に太ももを骨折してから車椅子生活が続くが、トイレや食事は自力で済ませる。食べ物の好き嫌いはなく「こだわりを持たないこと」が長生きの秘訣(ひけつ)と語る。
終戦後、子どもを連れて都内から親戚のいる市内に移り住み、夫素(はじめ)さん=享年89歳=と2人で木工所を始めた。懸命に働き5人の子どもたちを全員大学に進学させた。「貧乏だったけど教育はしっかりした。それは自慢」と目尻を下げる。今では孫13人、ひ孫13人に恵まれた。
1999年2月、素さんに先立たれてからも1人暮らしを続けたが、9年ほど前に体調を崩して施設に入所。それでも毎朝、新聞を読み、選挙の際には不在者投票も欠かさない。
佐藤市長が「栃木のナンバーワンになられましたね」と笑いかけると、安藤さんは「何か特別なことをしたわけじゃないのに。うそみたい」と謙遜。別れ際、満面の笑みで握手を求める場面には、関係者一同目を細めていた。