鉄板でジュジュと熱されるデミグラスソース。香ばしい匂いが、食欲をそそる。手ごねハンバーグ(160グラム)とコクのある手作りソースを口に運ぶと、山盛りのご飯400グラムを平らげてしまう。罪作りな味だ。
店のコンセプトは「昔ながらの洋食店」。敷居を低くと意識している。だから「パスタ」でなく「スパゲティ」。「ボロネーゼ」もあえて「ミートソース」と表記。洋定食でもスープではなく、みそ汁を付ける。
店主の古宮郷(こみやごう)さん(43)は福島県伊達市出身。23歳の時、西那須野町(現那須塩原市)のイタリアンで働き始め、和食店、仕出しなどでも腕を振るった。
「休日に自分が行きたい店をつくりたい」と8月、トコトコ大田原1階にオープン。子どもの頃、喫茶店の脇を通ると、料理のうまそうな匂いを感じた記憶がある。一つの原体験だ。
調理場で時折、炎を上げながら仕上げる料理。多くに「鉄板マジック」が施される。「鉄板ボークジンジャ定食」のよく利いたショウガやパスタ、チーズが焦げる匂い。どこか懐かしい味にいざなう。
千円でお釣りがくるメニューも多い。「安価でおなかいっぱい食べてほしい」。妻千晶(ちあき)さん(44)と店を切り盛りする。
▼メモ 鉄板デミハンバーグ定食は1180円▽大田原市中央1丁目3の15▽営業時間 午前11時~午後2時、午後5~7時半(いずれもラストオーダー)▽定休日 水曜▽(問)0287・48・6199。